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【基礎】スポーツ外傷・スポーツ障害の予防アプローチ因子について

フリーアスレティックトレーナーの

さかいゆきです。

 

今回は『スポーツ外傷・スポーツ障害の予防アプローチ因子について』お伝えします。

 

アスレティックトレーナーの世界ではスポーツ外傷・スポーツ障害予防には大きく3つの因子に対して予防アプローチが必要だと考えられています。部活チームや地域のスポーツチームにメディカルスタッフが居ない現場のスポーツ指導に携わる先生方や保護者の方にはぜひ知っていただきたい内容です。

 

こどもたちやアスリートの怪我を予防する上でまず"身体的因子"を確認することが重要です。

①身体的因子とは医師やアスレティックトレーナーが行うメディカルチェックでこどもたちの身体がどのような状態かを診ることです。具体的には《内科的メディカルチェック》と《整形外科的メディカルチェック》があります。

 

《内科的メディカルチェック》では医師によるこどもたちのスポーツ活動への参加の可否の判定、または制限・条件つきでスポーツ活動への参加が許可されることもあります。医師の指示の下で運動参加時のリスク管理をします。持病を持つ子にはその持病に合った指示を医師から受ける必要があります。服薬が必要な場合、ドーピングとならないように申請が必要になることもあります。市販薬を安易に自己判断で使用するのは避けましょう。貧血や女性に見られる無月経なども専門医の指示の下改善していく必要があります。

 

《整形外科的メディカルチェック》では既往歴(過去に怪我した時の詳細)、関節の緩さ検査、柔軟性検査、姿勢・骨格チェック、プレースタイルなどの評価データを取ります。この結果に応じて、既往歴が多い子には再発予防策を考えストレッチで柔軟性を高めるようにしたり、必要な子にはテーピングやサポーターで関節の怪我が起きないように予防策を実行します。また、フィットネスチェックも怪我予防には大切です。こちらでは筋力、筋持久力、柔軟性、全身持久力、バランスなどを評価します。日々の練習時には体重の増減や疲労度の把握、練習内容についていけているか、フォームは身体に合っているか、違和感や痛みを感じていないかなども怪我予防には重要な視点です。指導者や保護者、そしてこどもたちと対話し、試合や大会に向けて一方的でなく"一緒に"ベストな状態を作り上げることが望ましいです。

 

次に②環境的因子です。スポーツ現場における環境面での安全対策も怪我予防には重要です。怪我に繋がるポイントである練習環境の気温や標高、天気、サーフェス(床、土、芝、人工芝、コンクリート)に気を配ります。夏場の熱中症や、落雷などニュースでも時たま見ることがありますがこれらも気をつけていれば事故予防ができます。環境的因子にはスポーツ現場の設備の安全面も含まれ、更にはスポーツ時に身に付けるシューズやウェアや防具・道具の安全チェック管理も行います。遠征や合宿などの環境変化での体調不良などにも個人に合ったリスク管理をし、またチーム内における感染症の予防も含まれます。怪我予防だけでなく、怪我をした後の応急処置ができる準備ができていることも重要であり万が一救急車を呼ぶ事態になることも想定し、救急車の送路確保やAEDの設置も大切な環境整備です。

 

そして三つめは③心因的因子です。オーバートレーニング、バーンアウト(燃え尽き)症候群、過換気症候群摂食障害などは精神的ストレスに起因する疾患です。ストレスの積み重ねにより発症してしまうものであるため、日々こどもたちの様子に注意を払い、少しでもおかしいなと不安を感じたら早期に専門医師に診てもらい対応することが大切です。

 

これら三つの予防因子に対してチームで深めていくと怪我予防でできることは山のようにあることが分かります。まずはゆっくりでもいいのでひとつひとつの予防策をチームに取り入れて習慣にするのが望ましいです。怪我予防としてできることをひとつずつまた記事に書きますのでご覧頂けたらと思います。